2014/12/05

おしらせ

ご存じの方もおられると思いますが、去る11月24日、ASTRO MOTEL / HAMKのVo,G荒瀬陽介が心臓発作でこの世を去りました。
それはあまりに突然で、数日経った今も、どこかまだ、その事実を受け入れきれないふわふわした気分が続いています。

荒瀬君は(僕と8つも歳が離れているにもかかわらず)音楽の嗜好に「同世代感」を感じられる不思議な存在でした。
かつて、狭い四国で似たような価値観で音楽活動をする彼らに勝手に親近感を抱き、CHEAP AUDIOとHAMKでスプリット音源を作りました。

その希有な歌声が好きで、新しいバンドの構想に真っ先に荒瀬君を思い浮かべた僕は、仕事帰りに自転車を押しつつドキドキしながら誘いの電話をしました。
新バンド結成の話はそれなりに盛り上がったものの、当時忙しかった荒瀬君の返事はわりとあいまいで、「これはポシャったかな?」と思っていたら、ある日突然2曲入りMDと歌詞が郵送されてきてずっこけました。
MDに入っていたのは「アラーム」と「ライブラリー」のデモ音源でした。

それから競うように曲を作り、気付けば8曲ができていました。
音楽的方向性に関する話し合いも無きままの見切り発車だったので、見事にバラバラな曲が出揃いましたが、荒瀬君のボーカルがそれらをASTRO MOTELたらしめていました。
逆に言えば僕は、荒瀬君の歌さえあれば好き勝手できる状況を楽しんでいました。彼の歌に頼り切っていました。
高校生の時からHAMKという英語詞のバンドを続けている荒瀬君にとって、日本語で歌うこと、そして日本語での作詞は新鮮だったようで、新たな挑戦を楽しんでいるように見えました。

徳島での初ライブでは、曲を知っているはずもないお客さんが凄く盛り上がってくれて、思わず勘違いしそうになったけど、それは間違いなく荒瀬君個人の地元徳島での人気と人望に因るものでした。
個々のキャリアはあれど、所詮は新人バンド。例えばHAMKのような、メンバー間の阿吽の呼吸を感じさせる圧倒的なライブなどは最初から望むべくもなく、ただ地道にやっていくしかない、と密かに覚悟を決めたものでした。
8月の高松でのリリースパーティでのライブ。
ようやく初音源をリリースし、7回目にしてライブらしいライブができた実感があった僕は、冗談まじりで「今日からがスタートです」とMCで言いました。
図らずもこれがASTRO MOTEL最後のライブになるなんて、無論知るよしもありませんでした。

実現まで随分と時間がかかってしまったものの、ようやくリリースできたアルバム。
これを今後どう広めていくかを考えながら、同時に僕は既に新たな何曲かのアイデアを固めつつありました。
まさに、そんな矢先の出来事でした。

荒瀬君のおかげで、幸子ちゃんというベーシストと出会う事できました。
徳島の有望な若者たちと共演する事ができました。
でも正直言うと、もう少し一緒に演奏したり、曲作りしたり、メンバーで飲みに行ったり、家族で遊んだりしたかったな。

ただただ、残念です。

彼が居なくなってしまった今こそ、多くの人に彼の遺した音源に耳を傾けて欲しいと思います。
ASTRO MOTELの音源は、近々フリーでダウンロードできるようにするつもりです。(戸井)

HAMKのBandcamp(リリース作品が全曲試聴可能)
ASTRO MOTELのSoundCloud

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